返事したよ!-目が見えない猫についての雑感-

先ほど、日向ぼっこしているシャラの背中をなでながら
「シャラポコちゃん、お日様気持ちいいね~」と話しかけて
いたら、シャラが「ニャ~ン」と返事をしました。とても
控えめな鳴き方ですが、嬉しそうに目を細めながら
二、三度ちゃんと返事をしてくれました。


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嬉しいです。今までも独り言のように時々鳴くことはあったけれど、
こちらの呼びかけに対してシャラが明確なお返事をくれたのは
これが初めてなんです。

シャラは目が見えません。当初は弱視かと思っていましたが、
全盲なのです。おそらく近親交配などによる先天的なもので
しょう。

そのため保護してから馴れるまでにちょっと時間がかかりました。
最初の1-2ヶ月間は人を寄せ付けようとせず、恐怖に顔をひき
つらせていました。


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が、今ではこの通り。トイレは言うに及ばず、どこかから落ちたり、
転んだり、物にぶつかって怪我をしたりといったことは一度もあり
ません。リラックスして何の問題もなく生活しています。どの猫とも
仲良しで、とっかえひっかえ猫団子をつくり、仔猫の世話も率先し
てしてくれます。新入りが来ても全然平気です。

あまりに支障がなさすぎて、やっぱり目が見えるんじゃないか、と
疑うことさえしばしばでした。

シャラと暮らして10ヶ月近くになりますが、目が見えなくても聴覚
はじめ五感をフル活用して何不自由なく一人前に暮らしていける
猫ってすごい生き物だなあ、と感嘆することばかりです。


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シャラは目が見えなくてかわいそうに、とか、不憫だなあと思うこと
はまるでありません。人間に余計な世話をかけることなく、他の猫と
まったく同じに立派に生きているこの子に「かわいそう」などと同情す
ることは、失礼きわまりないことだと思うのです。「シャラってすごい
よね」という一言が我が家の会話には頻繁に登場します。

よく里親募集中の猫で「ハンディあり」と付記してある子がいますが、
事故で片足を失っていたり、片目が見えなかったりすることを「ハンデ
ィ」と規定することに、とても違和感を覚えます。

人間の介助がないと一人で排泄や食事ができないのでもない限り、
普通に生きていけるし、「ハンディ」にはあたらないと思います。


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少なくとも「目が見えない」ことは、猫にとって決してハンディではな
いということをシャラと暮らしてみて実感しています。

「目が見えない」ことは、しっぽが短いとか、鳴き声が大きい、などと
同じように、あくまでもその猫の個性、あるいは属性の一部にすぎない
と感じるようになりました。

今までシャラが全盲であることを公表しなかったのは、別に隠していた
わけではなく(フラッシュたいた写真でも一人だけ目をぱっちり見開いて
いるので、お気づきの方もいらしたと思いますが)、この子が世間の
人達から「目が見えないなんてかわいそう」という同情の目で見られる
のが何となく嫌だったからです。私自身もシャラと暮らす以前はやはり
漠然と「かわいそう」と思っていたのです。何事も経験といいますが、
目の見えない猫と実際に暮らしてみて本当に「目から鱗」でした。


猫たちからは日々、たくさんの幸せをもらっていますが、中でも
シャラからは思いがけない幸せをもらいました。シャラと暮らす経験を
通じて、俗に障害とかハンディといわれるものに対して、今まで気づか
なかった多くのことに気づかされました。

シャラがこれからも元気で幸せに楽しく暮らしてくれること、それが
我々夫婦にとって一番の願いです。
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by akaneiona | 2005-12-02 12:52 | シャラポワ
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